EEIC 東京大学工学部 電子情報工学科・電気電子工学科

入江 英嗣 教授

本郷キャンパス

コンピューティング
コンピュータ・システム
コンピュータ・ソフトウェア
高性能計算
情報セキュリティ
ヒューマンコンピュータ・インタラクション

これからのコンピュータを作る・使う

より強力なコンピュータ、あるいはより軽量で柔軟なコンピュータを実現する研究を行っています。また、それらの新しいコンピュータが可能とするユーザ支援サービスについて研究しています。

研究分野1

高効率汎用プロセッサ・アーキテクチャ「STRAIGHT」

プロセッサの電力効率や性能を飛躍的に向上させる新しいコンピュータアーキテクチャ「STRAIGHT」の研究を行っています.STRAIGHTは当研究室発のコンピュータアーキテクチャで,従来のRISCコンピュータとは異なり,レジスタ上書きが発生しないという独自の特徴を持つ命令セットです.この性質は,従来作れなかったような高性能コアや高効率コアを実現すると期待されています.研究室では命令セット策定からコンパイラ,マイクロアーキテクチャ,実チップまで総合的に開発を進めており,TSMC28nmプロセスで製作された試作チップで高性能実行を確認しています.現在,更なる高性能化に向けた研究を進める一方で,多くのユーザおよび企業が試用/実用できるように,STRAIGHT基本仕様およびデザインを公開しています.
研究分野2

形状自在計算機システム

複数の小さなチップによって構成され、形状・機能が自在に変化する計算機システムの研究をおこなっています。それぞれのチップは無線で通信し、隣接チップとの位置関係やシステム全体の形状を把握します。チップの配置や種類を変更することでシステム全体の形状や機能を変化させることができます。これまでの計算機システムは固い基板とパッケージによって構成されており、その機能は固定的でした。我々はこのような柔軟な計算機システムの在り方を提起し、体内・水中で活躍する超小型マイクロロボット群や、計算機システム自体の形状変化を利用したユーザインタフェースといった新たなアプリケーションを探求しています。
研究分野3

動的に近似度を自動調整する超高効率近似計算基盤

一般に,計算精度を下げれば計算負荷は下がり,その分高速化や省電力化の効果が得られます.従来,計算精度はプログラマによってプログラム記述時に指示されてきました.しかし,必要とされる精度は瞬間瞬間の入力値や実行時のユーザ状態で大きく変わるため,プログラム記述時に適切かつ安全に指定することは困難です.そこでこの研究では実行時にシステムやユーザの状態をフィードバックして,自動的に計算精度を変更するコンピュータ基盤を開発しています.提案している「動的近似プロセッサ」では,独自の命令クラスを導入して,同じプログラムが与えられても瞬間瞬間で異なる近似積極度による実行を実現しています.並行して,HCIアプローチにより,ユーザの満足度を推定してフィードバックする手法を研究しています.
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