2023年1月19日、電気系工学専攻 田之村 亮汰さん(D3)が第13回(令和4年度) 「日本学術振興会 育志賞」を受賞されました。
<受賞した賞の名称と簡単な説明>
第13回(令和4年度) 日本学術振興会 育志賞
同賞は、天皇陛下の御即位20年に当たり、社会的に厳しい経済環境の中で、勉学や研究に励んでいる若手研究者を支援・奨励するための事業の資として、平成21年に陛下から御下賜金を賜り、このような陛下のお気持ちを受けて、将来、我が国の学術研究の発展に寄与することが期待される優秀な大学院博士後期課程学生を顕彰することで、その勉学及び研究意欲を高め、若手研究者の養成を図ることを目的に平成22年度に創設したものです。 対象者は、人文学、社会科学及び自然科学の全分野において、大学院における学業成績が優秀であり、豊かな人間性を備え、意欲的かつ主体的に勉学及び研究活動に取り組んでいる大学院博士後期課程学生としています。(https://www.jsps.go.jp/j-ikush...より引用)
<受賞された研究・活動について>
混ざった情報を光のままほどく通信システムの実証
急増する光通信需要に支える次世代技術として空間モード分割多重通信技術が注目を集めています。本技術を用いることで1本の光ファイバー当たりの伝送容量を数十倍以上へ拡張でき、毎秒10ペタビットの超大容量伝送を実現できますが受信側での膨大な消費電力と遅延が不可避的に発生してしまいます。本研究では,光が通るだけで受信側の処理を代替できる「ユニバーサル光回路」をコンパクトな半導体チップとして作製し、超低消費電力な大容量光通信システムの創出を目指しました。数mm角の半導体チップ上に多面光波変換という手法を独自に実現し,コンパクトかつ誤差耐性に優れた光回路を実現しました。本素子を用いて実際に大容量モード多重信号の伝送実験を行い、光領域でのモード復号に成功し、低消費電力かつスケーラブルな光通信システムの実現へ大きく寄与しました。
<今後の抱負・感想>
この度は、育志賞という名誉ある賞を賜り、至極光栄に思います。挑戦的な取り組みを後押しして下さった指導教官の中野義昭教授,共同研究者の種村拓夫准教授をはじめ、共同研究者や研究室の方々には大変お世話になりました。この場をお借りして御礼申し上げます。今後はユニバーサル光回路によるシステム実証をより進め、実社会における応用へと展開できればと考えております。