EEIC 東京大学工学部 電子情報工学科・電気電子工学科
工学系研究科川原研究室の笹谷拓也さん(情報理工学系研究科電子情報学専攻/博士課程3年)が第11回日本学術振興会育志賞を受賞しました。
論文・受賞
2021.01.28

工学系研究科川原研究室の笹谷拓也さん(情報理工学系研究科電子情報学専攻/博士課程3年)が第11回日本学術振興会育志賞を受賞しました。

<受賞した賞の名称と簡単な説明>
以下育志賞Webページより抜粋(https://www.jsps.go.jp/j-ikushi-prize/kettei.html

日本学術振興会 育志賞について
日本学術振興会 育志賞は、上皇陛下の天皇御即位20年に当たり、社会的に厳しい経済環境の中で、勉学や研究に励んでいる若手研究者を支援・奨励するための事業の資として、平成21年に上皇陛下から御下賜金を賜りました。このような陛下のお気持ちを受けて、将来、我が国の学術研究の発展に寄与することが期待される優秀な大学院博士後期課程学生を顕彰することで、その勉学及び研究意欲を高め、若手研究者の養成を図ることを目的に平成22年度に創設したものです。
対象者は、人文学、社会科学及び自然科学の全分野において、大学院における学業成績が優秀であり、豊かな人間性を備え、意欲的かつ主体的に勉学及び研究活動に取り組んでいる大学院博士後期課程学生としています。

<受賞された研究・活動について>
無線による電力供給技術は,今後のInternet of Things(IoT)の発展に向けた鍵になることが期待されていますが、広い空間にわたって大きな電力を送ることには本質的な困難が伴います。本研究では、二次元状に分布して流れる面電流を巧みに利用することで、安全かつ高効率な部屋スケール無線電力伝送を目指しました。具体的には、空間内に複数の磁界分布を生成することで、部屋全域への高効率な無線電力伝送を実現したマルチモード準静空洞共振という手法を考案しました。さらに、電力伝送用の磁界に乗じた省電力通信機構や、レンズに着想を得た階層的な無線電力伝送システムなど、ユビキタスな無線電力伝送の実現に向けた基盤技術へと展開しました。そして実際の部屋スケールの無線電力伝送システムを構築し、従来手法では実現できなかった、部屋全域への高効率・大電力な無線電力伝送が可能になることを実証しました。

<今後の抱負・感想>
この度は、育志賞という名誉ある賞を賜り、至極光栄に思います。挑戦的な取り組みを後押しして下さった指導教官の川原圭博教授をはじめ、共同研究者や研究室の方々には大変お世話になりました。この場をお借りして御礼申し上げます。今後は無線電力伝送技術の研究を更に推し進め、実社会における応用へと展開できればと考えております。

<リンク>
https://www.jsps.go.jp/j-ikushi-prize/kettei.html
第11回(令和2(2020)年度)受賞者決定について|日本学術振興会

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