EEIC 東京大学工学部 電子情報工学科・電気電子工学科

所属学生の声

最先端制御技術を用いて半導体極微細製造装置を進化させます
弦本健太郎さん

古関・大西研究室 博士課程1年生 (電気電子工学科2021年度卒)

弦本さんは,未来技術に強く憧れて,それを実現する鍵が「電気」にあると考えて電気電子工学科に進学されました.現在は古関・大西研究室の博士課程1年生・日本学術振興会特別研究員DC1として,学習制御を用いた超高精度な位置決め制御と半導体製造装置への応用について研究をされています.これまでに東京大学優秀修士論文賞・工学研究科長賞(2023年度)をはじめ,国内外で多数受賞するなど活躍されています.

EEIC/EEISを選んだ理由を教えてください

「電気」という現象が我々の生活・未来の発展に与える大きな影響に魅力を感じて選びました。元々SF映画やアニメに出てくる「未来技術」に強く憧れていて、『それらを自分で実現したい!』『実現する鍵が「電気」ではないか?』とロマンを感じEEISに進学しました。実際EEIC/EEISは、半導体やIoTといった電気情報を象徴する分野から、制御工学・エネルギー・バイオ・宇宙といった「電気」が重要な立ち位置を占めているとは一見思いもしなかった様な分野とも深く繋がっていることを学べるのが一番の魅力かと思います!

どのような研究をされていますか

学習制御に関する研究を行っています。産業装置を思い通りに駆動するためには制御器を組む必要があるのですが、多くの現場では職人によるハンドチューニングにより制御器のパラメータが調整されています。位置決め精度をそこまで必要としない場合はこの手法でも問題ないですが、半導体製造装置などの様に、極限の加工精度を必要とする場合は調整の難易度・労力が跳ね上がってしまいます。そこで私は、装置を駆動する際に得られるデータを活用し、最適な制御器のパラメータを(発散せず安定に)自動学習する手法について研究を進めております。

また、この分野の第一線で活躍するオランダのProf. Tom Oomenとも国際共同研究を現在進行形で続けており、2023年には学科・専攻内の留学支援制度を組み合わせ3ヶ月間のオランダ留学を実現しました。その他、日本学術振興会特別研究員DC1の研究費や国内外の渡航支援制度を積極的に活用して、国際会議に参加することを心がけております。発表を通じ世界中の研究者と議論を重ねることで、研究をより社会に意義あるものとして洗練できるよう、日々邁進しております。

研究室の雰囲気を教えてください

古関・大西研究室の第一印象は賑やかで無礼講(笑)。留学生が半分近くいるということもあり、研究室は活気に満ち溢れている印象です(その留学生達も多くが日本語に堪能)。(自分含め)先輩や先生に対する遠慮が良い意味であまりないので、研究の至らないところや私生活の悩みなどを気軽に相談できることが良いところかと思います。様々な文化の違いに面食らうことも多々ありますが、自分の視野が広がる貴重な体験をできることも、EEIC/EEISに入る一つの魅力かと思います。

博士進学した理由

「博士もこれでやって行きたい!」と思える「学習制御」という研究テーマに幸運なことに巡り会えた事ももちろんですが、博士に行ってもしっかりと周りに支えてもらえるという安心感を持てたという事も大きな理由の一つです。困った時に親身になって相談に乗って下さる指導教員・先輩・後輩の存在が無かったら恐らく違う道に進んでいたかと思います(笑)。実際に博士課程に進んでみて、様々な産業界の方・海外の研究者・全く異分野の博士学生との繋がりが一層増え、修士の時から知見を広がっている実感があるので博士進学して良かったと感じております。

EEISを目指す方へのメッセージ

前述した通り、EEISは半導体やIoTといった分野から制御工学・エネルギー・バイオ・宇宙といった幅広い分野の研究を取り扱っております。輪講という必修授業で週に1回他の研究室の学生が行っている多様な研究と触れ合う機会があるので、様々な分野に触れ興味を広げたい方は是非EEISへ!

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