革新デバイスと量子フォトニクス

lab07

革新デバイス

IoT・人工知能社会を迎え、情報処理に必要な消費電力は指数関数的に増大しています。
サステイナブルな社会を実現するために、最新の固体物理学・量子力学・材料科学・統計力学の知識を駆使して、次世代を支える最先端デバイスの創出に挑戦しています。

あらゆる電子機器を動かす半導体集積回路は、シリコンでできた非常に微細なトランジスタ素子により支えられています。既にスマートフォン1個あたり十億個ものトランジスタが使われていますが、これからの社会の基盤技術として期待されるIoTや人工知能を支える上で、必要なトランジスタの数は増加を続けています。それに伴い、このような情報処理に必要な消費電力も年々指数関数的に増大しており、2025年には国内の総発電量の20%にも達すると予想されています。

私たちは、サステイナブルかつクリーンな社会を実現するために、最新の固体物理学・量子力学・材料科学・統計力学などの知識を駆使して、次世代の革新的なデバイスを生み出すべく挑戦を続けています。新材料を用いた新しい構造の超高性能トランジスタ、自然科学の基本法則を用いた人間の脳を模倣するニューロモルフィックコンピューティング、相対論的量子力学を駆使した原理的に電力を消費しない純スピン流やスピン波による人工知能デバイス/スピントロニクスデバイス、有機半導体を用いた生体親和性のあるウェアラブルデバイスなど、従来技術の延長にない革新的な技術の実現を目指しています。

このような研究を進めるには、応用一辺倒の考え方では限界があります。私たちは科学者として、広い視野を持ち純粋な知的好奇心に根ざした探索的なサイエンスの研究も大切にしています。固体物理学や量子力学などの基礎学問をより深く理解し、それらに基づく既成概念にとらわれない柔軟な思考ができれば、大きなブレイクスルーが期待できます。新しい社会を支える新しい革新的なデバイス技術。この研究分野はまさに革命前夜の様相であり、若い皆さんが国際的に活躍できる大きなチャンスがあります。

空間反転対称性の破れと相対論効果を利用して、スピン流から電流を高効率に生成するデバイス。スピン流は人工知能デバイスなどへの応用が期待されている。
世界でもっとも軽く薄く柔らかい電子回路でできたタッチセンサ。人間の肌などの自由曲面に貼り付けることができる。体温や血圧を始めとする種々の生体信号を継続的に測定できると期待される。
酸化物とバイオの融合 / バイオに学び、模倣し、活⽤するエレクトロニクス

lab08

量子フォトニクス

電子と双対をなす光子(フォトン)。その潜在的な情報処理能力はペタビット(Pbps)です。
電子にはない光子の性質を操り、この未開拓な資源をフルに活用することで、
現代のIoT・AI社会を大きく進化させる新しいフォトニクスを創出します。

膨大な情報が溢れる現代のIoT・AI社会を物理層で支えているのが「光」です。すべてのモノがインターネットにつながり、世界中のビッグデータと照らし合わせながら機械学習を行い、瞬時にユーザーに返す。こんな不可能を可能にしたのは、大量の情報を、無駄なく光速で地球の裏側まで伝えることができる「光」の力です。その結果、世界中を流れる年間情報量は増大を続け、ゼタバイト(ZB = 1兆ギガバイト)を超えています。

そして今、光子(フォトン)を自在に操って利用する技術、すなわち「フォトニクス技術」が全く新しいフェーズを迎えようとしています。テクノロジーの進化により、情報やエネルギーを伝搬する媒体としてだけでなく、光子ならではの物理的な性質を最大限活用することが可能になりました。例えば、大量の光学部品を数ミリ角のシリコンチップ内に搭載した光集積回路を用いることで「光」による機械学習/量子演算を瞬時に行う技術。光の状態を量子レベルで制御することで、高感度での細胞イメージングを可能にする技術。大量のビームの位相を光集積回路により高精度に操ることで、自動運転車や自律型ロボットの「眼」として不可欠な3次元センサを実現する技術。ナノ加工技術により、回折限界を超えて光を閉じ込めて制御する技術。これらはほんの一例に過ぎません。

電子と光子の物理を深く理解し、両者の長所を活かした革新的なデバイスを創製する。そして、電子情報工学科の情報処理・アルゴリズムの専門家と連携しながら、より大きなシステムをスピーディーに構築し、私たちの社会を一変させる。このようなスタンスで研究が進められるのは、電気電子工学科の最大の特徴です。最先端の研究と社会を変えるテクノロジーの両者に興味があり、追及したい意欲的な学生を歓迎します。

チップ内を光が伝搬するだけで、ほぼ無電力で瞬時に大規模な積和演算を行うことができる光回路。光を用いた深層学習アクセラレータや量子演算回路の実現が期待される。
数ミリ角のシリコンチップに集積した高速ビームスキャナ。自動運転や自律型ロボットの「眼」となる3次元レーザセンサ(LiDAR)への適用が期待される。
InP半導体チップ上に集積した全光フリップフロップデバイス

教授 杉山正和
Masakazu SUGIYAMA

半導体技術を発展させ、太陽光から燃料をつくる技術にチャレンジしています。

教授 染谷 隆夫
Takao SOMEYA

フレキシブル大面積デバイスによって未来のエレクトロニクスを切り拓きたい。

教授 高木信一
Shinichi TAKAGI

デバイス・物性分野の研究では、自然との対話を大いに楽しむことができます。

教授 田中雅明
Masaaki TANAKA

二度とない若い時代です。何かを創造することに全力で打ち込みましょう。

教授 田畑 仁
教授 田畑 仁
Hitoshi TABATA

理由は要らない。“面白そう” からはじめよう。好奇心が旺盛で、根あか人間、来たれ。

教授 中野義昭
Yoshiaki NAKANO

普遍的な学問・原理を身につけ、未来を大胆に切り拓いて下さい。

准教授 大矢 忍
准教授 大矢 忍
Shinobu Ohya

まさに物質との対話。じっくり取り組むことにより、少しずつその新たな一面が見えてきます。

教授 竹中 充
教授 竹中 充
Mitsuru TAKENAKA

デバイスには未知の物理が溢れています。自ら新理論を発見して、21世紀のファラデーを目指そう!

准教授 種村拓夫
准教授 種村 拓夫
Takuo TANEMURA

膨大な情報が溢れる時代だからこそ、本質を見極める力を身につけましょう。

准教授 松井 裕章
准教授 松井 裕章
Hiroaki MATSUI

明確な夢は経験を積み重ねることで見えてくる。明日に向かって挑戦しよう。

准教授 横田 知之
准教授 横田 知之
Tomoyuki YOKOTA

常に新しいことにチャレンジし続ける精神を大切に。