駒場総合科目「太陽光発電工学」
2012年度 夏学期 木曜5限(16:20〜17:50)
駒場Iキャンパス 12号館1214教室
■世話教員
工学部電気電子工学科 杉山 正和
sugiyama@ee.t.u-tokyo.ac.jp
■講義スケジュール・資料
日時 内容 担当 資料 4月19日 太陽光発電の現状と将来展望 杉山 ○ 4月26日 光の基礎 大津 ○ 5月1日 半導体の基礎 杉山 5月10日 バンドギャップ・結晶と光との相互作用 杉山 5月17日 半導体のpn接合 杉山 5/18-20 本郷工学部電気電子工学科公開 5月24日 太陽電池の熱力学モデル 岡田 5月31日 高効率構造太陽電池 杉山 6/1-2 駒場先端研研究室公開 6月7日 生体に学ぶエネルギー変換・貯蔵機構 田畑 6月14日 新材料・新概念を用いた太陽電池1 田畑 6月21日 新材料・新概念を用いた太陽電池2 田畑 6月28日 第3世代太陽電池 岡田 7月5日 光閉じ込めによる太陽電池の高効率化 杉山 7月12日 近接場を用いた太陽電池の高効率化 大津
■授業の方法
講義形式.適宜,演習課題を出す可能性あり.
■成績評価
一連の講義終了後,担当教員が出す課題を選択し,レポートを提出する.その採点結果により成績をつける.
■授業の目標、概要
地球温暖化問題に対する切り札として近年ますます注目されている太陽光発電について,太陽電池の構造・機能を物理に基いて理解し,現在までに提案されている様々な太陽電池の利点・欠点を概観することにより,超高効率・低コストな次世代太陽電池・太陽光発電システムを開発するための基礎を確立することを目指す.
太陽電池の心臓部は,半導体のpn接合である.光の吸収により発生した電子・正孔を内部電界により分離し,外部へ電流として取り出す.これらの動作を理解するためには,
・固体中の電子の状態と振る舞い
(エネルギー準位,正孔の概念,自由エネルギー,固体中の電子・正孔の移動)
・光と固体の相互作用
(光の伝搬,光子の吸収と電子・正孔への変換)
などの固体物理の基礎が不可欠である.言い換えれば,太陽電池は固体物理の入門に格好の教材である.
さらに,最近提唱されている超高効率太陽電池には,量子井戸や量子ドットなど量子効果を最大限活用した効率向上の工夫が散りばめられており,量子力学入門にも最適である.
一方,低コストを標榜した有機太陽電池の背景には,分子間のエネルギー移動,異種材料界面での電荷移動など物理・化学のフロンティアが広がっている.
本総合科目では,このような物理・化学の理解に重点を置きつつ,実際の太電池の構造を豊富な実例とすることで,教科書的な式の展開による知識の伝達ではなく,活きた「知恵」の獲得を目指す.