東京大学工学部 - 電子情報工学科・電気電子工学科

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メディア・コンテンツ

いま人々が求めているのは、技術革新がもたらす熾烈な競争社会ではありません。人が心豊かに暮らせる社会です。心の豊かさは工学とは無縁のものと感じるかもしれません。しかし、効率化・高速化を極めて超人的な計算能力を手にすることだけが技術の進歩ではないはずです。この分野は、これまでの競争的な技術革新とは一線を画す新たな方向性として、「心の豊かさ」を生み出す技術を追求しています。日本はこの分野で、欧米諸国よりも先導的な立場にあるといえます。日本のゲームやアニメが世界を席巻しているのはご存知の通りですが、それだけではありません。諸外国よりも少子高齢化が進む日本では、老若男女を問わないメディアの活用、子どもたちの心の教育、快適なリハビリ環境などに関するニーズが既に高まってきています。日本発の技術が世界に先んじて問題を解決していけば、それがいずれは世界標準になる。この分野では日本主導型の技術革新をめざし、さまざまな分野に視野を広げています。

例えば、コンピュータが作り出すバーチャルな世界。バーチャルとは本来「実際に存在しなくとも実効的に同じ役割を果たす」という意味であって、物事の本質を見極める学問です。それがどこかネガティブな意味にとられるようになっているのは、まだ技術が成熟していないためです。この分野では、バーチャルとリアルの融合をテーマに、真に人々が望む技術のあり方を探究しています。

また、技術とアートとの関わりもこの分野のテーマ。魔法のような先端技術は、人々の常識を覆し、心に響く力を持っています。ルネッサンス以降、それぞれの道を歩んできた技術と芸術が、再び歩み寄る時が来ました。先端技術だからこそ可能になる新たな芸術表現をめざしていきます。

もう一つの主要テーマはコンピューティング。計算そのものを目的化せずに、人を中心に見据えた情報活動をデザインする、人にやさしいインタフェースをつくるなど、心理学的な検討が必要な技術分野です。この分野では、人の理性的な活動だけでなく、感性にも訴える情報処理のあり方を開拓していきます。


リアル×バーチャル

リアルな「実世界」とバーチャルな「仮想世界」を繋いで、誰も体験したことのない映像や体験を創り出す。例えば、360 度どこからでも見ることができる映像を表現する3 次元映像処理、3 次元空間・光線情報処理、3 次元ディスプレイ。実空間と仮想空間を融合した複合・拡張現実感技術。見た目には普通の映像なのにその中に別の情報を埋め込んだ可視光通信。カメラやレンズ、センサといった様々なハードウェアと、電子情報学で学習する様々な信号・情報理論やソフトウェア開発技術を駆使した、インタラクティブなコンテンツを創造しています。
もちろん、それらの技術を開発していく中では、基礎的な信号・情報理論の理論的体系化、画像映像取得・符号化・検索・編集・コンテンツ保護など、古そうに見えて実は新しい基礎技術の開発も行っています。

アート×テクノロジー

信号処理、画像・映像処理、ハードウェア技術などを駆使してメディア・アート作品を創る。例えば、温度情報を使って映像から実時間で人物領域切り出しを行うThermo-key、テーブル型ディスプレイを使ったTablescape Plus、植物や丸太などにセンサを埋め込んで体験者とインタラクティブに共鳴しあえるStrino、即興音楽表現を可能にするTempo Primo、葉っぱの葉脈を利用した新たなID システムLeaf code。その他、新しいセンシング、処理、表現技術を追求しています。
これまで電子情報学は縁の下の力持ちという印象がありました。しかし、電子情報学の知識はこれからのメディア・アートに欠かすことができません。電子情報学の基礎力を身につけた皆さんが表舞台に立って主役となるチャンスです。作品は学内のみならず、博物館や表参道などのイベント会場などでの展示も行っており、一般の人に楽しんでもらう活動を行っています。

ヒューマン×コンピューティング

人と計算機を繋ぐ。「心豊かな」情報処理を実現する。単に「すごいだけ」の技術から飛び出し、みんなが「幸せになる」技術を開発する、未来志向の研究です。例えば、ウェアラブルなセンサやカメラを身につけたり環境に埋め込んだりしてその人の一生分のデジタル日記を取得したり処理したりする体験情報処理、街全体にわたって対象者を追跡できる位置計測・見守り技術、食事の写真をケータイでアップするだけで栄養バランス解析や健康管理をしてくれるメディア処理技術、インタラクティブな似顔絵作成と「似顔絵学」の追求、YouTube やニコニコ動画などユーザ主導型コンテンツの処理、等々。 感性や心理といった、文系の研究分野と思われがちなテーマを「テクノロジー」としてとらえ、研究することでメディア・コンテンツの新たな学術領域を開拓しています。

教授 相澤清晴
Kiyoharu AIZAWA

がんばりすぎず、あきらめず。

准教授 苗村 健
准教授 苗村 健
Takeshi NAEMURA

座右の銘:「鳴かぬなら鳴かせてみよう不如帰」「ゆっくり急げ」「時は加速する」


准教授 山崎俊彦
准教授 山崎 俊彦
Toshihiko YAMASAKI

一所懸命に一生懸命。勉強も遊びも恋愛も全力でやりましょう。


メディアコンテンツ特別講義担当

教授 喜連川 優
Masaru KITSUREGAWA
教授 池内 克史
Katsushi IKEUCHI