現役学生の声

研究室へようこそ

4年生になると待っている、苦しくも楽しい研究室生活。
博士や修士の先輩に混じって、自分は何をやりたい?何ができそう?
最初はわからなくて当たり前。だけどそろそろ考えてみますか。
先輩たちの辿った軌跡を、参考に。

[取材日:2016年2月]

分子構造検索をヒントに、
不動産の間取り検索システムを開発

大原 康平
相澤・山崎研究室 学部4年

どんな研究室?

画像や映像を駆使したマルチメディア環境について、幅広い研究を行っています。たとえば、旅プランのデータを集積してより良い行き先を推薦するシステム、料理写真を撮るとカロリーが表示されるシステム、人のプレゼンテーション技術を自動評価するシステム等々、とても新しいテーマばかり。しかも、研究成果が人々を驚かせるサービスに直結している点に惹かれました。

何を研究中?

卒業研究では、不動産の間取りに着目したweb検索システムを作っています。たとえば「子ども部屋の出入りには必ずリビングを通る」といった様々な動線を持つ物件を、簡単な条件入力でリストアップできるようにするもの。各物件情報の裏に、各部屋とその繋がりを簡略的に図にした構造情報を持たせることで、希望に近い物件を優先的に表示できるようにしています。このアイデアは先生が家探しをした時の不満からヒントをもらいました。ベースとなっているのは、分子構造の検索システム。この技術を使えば服のコーディネートなどにも応用できますね。

先生のサポートで、不動産情報を扱う企業に向けてこのシステムに売り込みをかけることもできました。企業からはユーザーの好みを反映した検索結果を出すというアイデアをもらうことができました。あまり斬新すぎるとユーザーの負担を増やすといった、現場の話を聞くことができ、また社会人らしい振る舞い方も経験できました。

今後の目標は?

大学院では大規模データ解析の研究をし技術を身につけたいです。不動産の間取検索もですが、膨大なデータから欲しい情報や興味深いルールを抽出する研究は、今後も重要なキーを握るジャンルだと思います。

ニューラルネットワーク技術で
プラスチック地雷の可視化を実現

小山 英利香
廣瀬研究室 修士課程1年

どんな研究室?

廣瀬研は2つの大きなテーマを持っています。一つは、人の脳の働きを模したニューラルネットワークによるデータ処理技術、もう一つは、携帯電話から人工衛星まで様々な場で使われている、アンテナを用いた通信処理技術です。その双方に関連する技術として、ここ10年ほど研究室で取り組まれてきたのが地雷探査技術。私はこの地雷探査技術を手がけてみたくて廣瀬研を志望しました。既に先輩が作っていた1次元のシステムを引き継ぎつつ自分ひとりで再構築を進めています。

うちの研究室はグループ研究が大半で、単独で手がけているのは今2人だけ。ただ、先生が在室中はいつでもドアを開けて親身に相談に応じてくれるおかげで、ひとりでやっている感じではないですね。

何を研究中?

アンテナで地中を探査し、ニューラルネットワークで地雷を見分ける小型探査機を、箱づくりからすべて自分で手がけています。

プラスチック地雷は金属探知機が効かないのはもちろん、電波の散乱の様子を画像化しても、土と殆ど区別がつきません。そこでニューラルネットワークに土と地雷の情報を与えます。それに基づいて、人間の目では分かりづらい"地雷らしさ"を機械が判定する、という仕組みです。実用に耐えるよう小型化・高速化するのも目標。いまは、探査機が前進する際に生じるノイズを別のニューラルネットワークで処理するという課題に取り組んでいます。先行のアンテナの改良やアームづくりまで自分でやるうちに、ものの成り立ちを知り、いろいろな分野を学ぶことができました。

今後の目標は?

この研究は、私または後を引き継ぐ後輩の手で、実用化にこぎ着けられそうです。これまで学んできたものづくりの技術を、今後はメーカーの開発部門で活かしたいと思っています。

目指すは記憶を保持できるトランジスタ。
物性からデバイスまで研究できる面白さ

レ デゥック アイン
田中・大矢研究室 博士課程3年

どんな研究室?

以前から固体物理好きだった僕は、根底から世界を変えるインパクトを持った研究がしたいと思っていました。そんな時、田中先生の固体物理、特にスピントロニクスの研究に感銘を受けてこの研究室に入りました。テーマが新しいのはもちろん、研究環境もとても充実していて、何でも挑戦できそうな気がしました。また、田中先生が研究者でありながらとても教育熱心なのも魅力です。

何を研究中?

僕の研究が目指すところは、電源を切っても記憶が消えないトランジスタ。電力が入ると一瞬で復帰するシステムができれば、たとえば消費電力の大幅な削減や、飛行機や宇宙船などのトラブル回避にも役立ちます。それを実現させる、強磁性を持った半導体の研究が今、世界中で進んでいます。

僕は学部の卒業研究で、それまで不可能といわれていたn型強磁性半導体の作製に、世界で初めて成功しました。研究者として最高に幸せな瞬間を、卒論で経験してしまいました。装置トラブルや試行錯誤を繰り返す日々でしたが、今思えば知識も忍耐力も最も成長した時期でした。教科書通りに出てこない予想外のデータから学ぶことも多かったです。
今は、n型強磁性半導体をデバイスやシステムに落とし込むための研究を進め、成功しつつあります。物性物理からデバイスまで研究できる幅の広さがここにはあります。従来の物理の知識が正しくなかったという発見があるのも、また面白いですね。

今後の目標は?

来年もポスドクとして研究を続けます。今後はn型強磁性半導体だけでなく別の材料も開発してみたい。その中から新しい物性が見つかったりするかもしれません。

充実した環境で、超精密制御の限界に挑戦。
企業との共同研究でアメリカ修業も経験

大西 亘
堀・藤本研究室 博士課程1年

どんな研究室?

堀・藤本研究室の中核技術は制御工学。電気自動車や電気飛行機、ロボットなどのモーションコントロールやワイヤレス給電といった制御を研究しています。学部時代、両先生の授業で制御工学に触れ、制御プログラムを書き換えるだけで目指す性能を実現する制御の世界に惹かれ、自分は制御で飯を食っていこうと決めました。

研究環境となる柏キャンパスには広大な敷地に電気自動車の実験場をはじめ多くの実験室や実験機が揃っています。実験機は1人1個以上あるんじゃないかな。社会人博士も含め40名の大所帯で、先輩からも丁寧な指導が受けられるのも良い点。企業との共同研究も多く、就活に強いメリットもあります。

何を研究中?

「人類史上最も精密な機械」といわれる半導体集積回路や液晶パネル製造装置の中核部品である、基板を正確に高速移動させる「超精密ステージ」の高速高精度位置決め制御を研究しています。

ステージは摩擦を防ぐため高圧空気や磁力で浮上しているので、位置(x,y,z)と姿勢(θx,θy,θz)の6自由度に位置決めをする必要があります。ところが、生産性向上のためステージを高速で動かすと軸間干渉によりピッチング運動が起きてしまいます。車で急加速・急減速した時に前後方向に揺れるのと同じですね。この非干渉化制御を目指し、機構と制御の統合設計というアプローチをしています。

制御性能の向上が常に求められているためシビアですが、産業界から期待される技術。企業との共同研究という形になり、米国の研究所で世界第一線の研究者と2ヵ月肩を並べられたのが良い経験になりました。

今後の目標は?

みんなが当たり前に思うような便利さを、制御技術で支えていきたいですね。

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